現代の若者については、なかに自閉症気味の孤独を好む者はいても、孤立を好む者はいません。
むろん、現代の若者に限らず昔から、孤立を好む者はいないのです。
しかし、あえて好むことはなくても、孤立を恐れないという生き方はあります。
実際、「連帯を求めて孤立を恐れず」という闘争スローガンが生きていた時代もありました。
孤立を恐れないこと自体に何か価値があるというわけではないけれども、しかしそれにしても、「連帯を求めず孤立を恐れる」という当世気質は一個の考察対象たりえます。
連帯も求めず、ひたすら孤立を恐れるのみ・・・。
ではいったい何を求めているのかというと、また「個性」とやらです。
さまざまな現実といろいろな人格に遭遇するなかで、体験と思考を重ねつつ自己陶冶・自己形成を図ることが、古今東西を問わず「個性」獲得の一条件かと思います。
しかし今日、巷には、出来合いの商品(モノやサービス)を買い求めるだけで、買い求める際に他人とは違った「差」をつけるだけで「個性」が得られるかのごとき錯覚が蔓延しています。