「友情」についても、古来、モラリスト(人間観察家)をはじめ多くの文人たちが気のきいた定義づけや意味づけをしようと苦心を重ねてきました。
要点はしかし平凡なことで、フランシス・ベーコンの次のごとき言葉に尽きています。
「真の友人には、悲しみも喜びも望みも疑いも忠告も、心に重くのしかかるどんなことでも、いわば俗人の告白もしくはざん悔として打ち明けることができる」(『ベーコン随想集』より)。
・・・このことから、友情の第一の効果は、「あらゆる種類の情念が原因となって引き起こす、心のわだかまりや高ぶりを和らげて発散させることである」。
そして第二の効果は、「第一の効果が感情に対してそうであるように、知性に対して健全さをもたらす」という点にあります。
しかしこの種の友情が成立することさえ、今日の若者たちの間では、はなはだ稀なことのようにみえます。
もちろん、事は若者たちだけに限られるのではありません。
しかし中高年層の場合は、現在の若者たちと同じ年のころを振り返ってみると、こんなにもそっけなく無機的なかたちではない友人関係が成立していたという体験が多かれ少なかれあるだけに・・・
今日の若者状況に奇異なものを感じ、ひいては時代の変化を思わざるをえないのです。